第9回
情報が一番のサ-ビス
スリランカの母娘のお客さんに、オリエント・バザ-ルの場所をきかれました。帝国ホテルの隣りと思っていたのですが、念のため地図を見ると、そこはインタ-ナショナル・バザ-ルでした。早速、トラベルフオン(外国人旅行者のための無料電話サ-ビス)に、「外国のお客さんに聞かれているのですが」と言って、その所在地住所と電話番号を教えてもらいました。
英文地図をコピ-して、行き方を説明してあげて「そこに、英文のパンフレットがあったら、持ってきてくれますか」と頼むと、「次のお客さんのためですね」と言って、持って帰ってきてくれました。
外国のお客さんは、実にいろいろな質問をしてきます。
「関東大震災の資料はどこにありますか。」
「柔道の嘉納治五郎の墓はどこですか。」
「歌舞伎の一幕見をしたいのですが。」
「相撲の練習風景が見れますか。」に始まって、
「日本人と碁を打ちたいのですが。」
「空手道場で練習してみたいのですが。」
「両替の利率の良い銀行はどこですか。」と続きます。
なかには
「主人は寿司、私はうどんを食べたいのですが、一諸に注文できるレストランがありますか」などという、ほほえましいものもあります。
最初はトラベルフオンの電話番号を教えていましたが、同じ質問を、いろいろな人が尋ねてきます。そこで、自分でも情報の整理をはじめましたら、いつの間にか、スクラップが六冊にもなりました。
そうしたら、外国のお客さんに「この旅館の一番のサ-ビスは、情報が揃っていることだ。」といわれました。
今日も、フロントに「ワン・クイッシヨン」(質問が一つあります)といってお客さんがやってきます。スクラップに、また新しい情報が増えるのではないかと思うと、ついニッコリして「はい、どうぞ」と答えています。
日本観光旅館連盟 日観連月報
平成12年12月号より
Episode 9
Information is the best service
Some visitors from Sri Lanka, a mother and a daughter, asked me where the Oriental Bazaar is. I thought it was next to the Imperial Hotel, checked on a map and found out it was the International Bazaar. So I called Travelphone, which is a toll free service for tourists, and asked for its location and telephone number. I gave them an English map and asked if they would mind bringing back some English leaflets for future guests, which they kindly did for me.
I receive many different inquires, like…..
“Where can I find information about the Great Kanto Earthquake?”
“Where is the grave of Jigoro Kano?”
“I want to see a kabuki play”
“Can I see a Sumo training?”
“I want to play GO with a Japanese.”
“Where can I practice Karate?”
“Which bank has good rates?”, and
“Do you know a restaurant where my husband can have sushi and I can have noodles.”
I have been giving out the telephone number of Travelphone, but because many people ask the same questions, I created a notebook and now have six of them. Nowadays, I’m told the best part of my ryokan’s service is that it provides plenty of information for visitors.
Today, when a tourist comes by and says “One question!”, I am willing and happy to answer it, as I may be able to add it to my notebook.
(The Japan Tourism Association Monthly Journal Nov, 2000)
Written by Isao Sawa and translated into English by Masumi